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ブロックチェーンと鮨の街、仙台について

ブロックチェーン

私は2001年に今の会社に入社し、そこからIoT(昔はセンサネットワークやユビキタスネットワークといわれていた)に関する研究開発をしてきた。具体的には無線方式の標準化から組み込みマイコンのドライバ作成、プロトコルスタックの開発およびプロマネ、セキュリティ検討、アプリケーション検討、新規研究の立ち上げ等、様々なレイヤに関わってきた。こういうのはメーカの研究部門に所属する役得である。

で、製品化もしたし、後輩に私よりもできる人がたくさん出てきたので「もうそろそろIoTもええやろ」と2017年辺りからブロックチェーンの研究を始めている。


「新しい技術を取得する手っ取り早い方法は、その技術に関する講義をすることである」というワインバーグ翁の話に従い、機会を見つけて色々なところでブロックチェーンの話をすることにしている。今回はご縁があり、仙台の某大学でブロックチェーンに関する講義をしてきた。

 

ブロックチェーンとは「ハッシュ関数電子署名を利用した、分散型電子台帳技術」である。なぜデータベースと言わないかというとデータの削除ができないからである。

ブロックチェーンは一般的なデータベースシステムに比べて「データの完全性」「システムの可用性、信頼性」において利点がある。

ブロックチェーンのデータは,あらかじめ決められたブロック単位で保存される.各ブロックは一つ前のブロックのハッシュ値を内包している.あるブロックのデータを改ざんすると,そのブロックのハッシュ値は変わる.各ブロックはハッシュ値で連結されているため,あるブロック内のデータを改ざんしようとするとそれ以降のブロックのハッシュ値がすべて変わってしまう.これは,あるデータを改ざんするためにはそれ以降のブロックをすべて改ざんする必要があるということである.このようなデータ構造をチェーン構造という.ブロックチェーンはチェーン構造により,データの完全性(Integrity)を保証している

ブロックチェーンではブロック追加時に不正(二重投稿など)を排除するためのアルゴリズムである、コンセンサス・アルゴリズムを実施する。コンセンサス・アルゴリズムにはPoW(Proof of Work)やPBFT(Practical Byzantin Fault Trelance)といったものがある。コンセンサス・アルゴリズムブロックチェーンシステムを特徴づけるものであるが、どの方式にしろ、複数の計算機が協力してアルゴリズムを実行する点は同じである。これをシステム運用の観点から見ると、ブロックチェーンでは「ブロックの追加」というシステムの重要な部分を複数の計算機を使って冗長性をもって実行していると言える。このことからブロックチェーンは既存データベースシステムに比べて可用性(Availability)が高いと言える。

ブロックチェーンでは、内部のチェーン構造で保存しているデータをシステム上の機器間でP2P(Peer to Peer)ネットワークを使って分散共有している。一般論としてデータのコピーを分散して保存しているシステムは、そうでないシステムに比べてデータが無くなる可能性は低いので、システムとしての信頼性(Reliabirity)は高いと言える。


このように色々と特徴のあるブロックチェーンだが、2019年12月現在、ガートナーのハイプ・サイクルでは幻滅期の真っ最中である。

ガートナー、「ブロックチェーン・テクノロジのハイプ・サイクル:2019年」を発表

新しい技術は「出てきた時はもてはやされて、ちょっとたったらがっかりされる」のは当たり前なので、がっかりされている次期にちゃんと勉強しておくのが大事ね。

 

ブロックチェーンの実用例をインターネットで調べても中々出てこない。出てきてもPoCが多くてがっかりすることが多い。しかし、以下のサイトで中国で結構使われていることがわかって面白かった。

ブロックチェーンって何にも使われてないよね?|yoshinori fukushima|note

これは完全に私想像の話だが、中国で対外的な商取引が盛んに実施され始めたのはここ20年程度で既存のシステムというのがなく、それが故にしがらみなく新しい技術であるブロックチェーンを採用したシステムを運用しているのかなぁ。

 

仙台は鮨の街

仙台のタクシーの運ちゃんに「仙台牛は神戸牛だし、フルーツやずんだの豆は山形のもの。仙台ゆかりのものって実はあまりないけど、海の幸と米は美味いね」と言われたことがある。この話を聞いてから、私は仙台にいったら必ず鮨を食うことに決めた。

仙台でのお気に入りの鮨屋は小判すしである。

https://tabelog.com/miyagi/A0401/A040101/4000197/

 ここの「伊達の殿様コース」には感動した。お寿司は握りが5カンだけ。あとは全部酒のアテである。ホタテの煮しめ、あん肝、いくらの醤油漬け、酒盗〆さばイカゲソ、生エビ、薄焼き玉子、マグロの刺身、厚焼き玉子、鰻の蒲焼き、コハダと大葉の胡麻和え、ホタテの貝柱、等々...1品で日本酒一合は飲めそうなラインナップ。もはや「酒の肴を使った暴力」である。理性を働かせつつも一時間で日本酒を4合のんでしまった。やりすぎ。