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技術士二次試験:申込書の書き方

技術士2次試験を受験するためには申込書を書かねばならぬ.
技術士2次試験の申込締切は4月末である.
 
技術士の申込書は情報処理技術者試験より記述しないとけない項目が多い.
具体的には業務経歴書と業務内容詳細を書く必要がある.
 
ここで書く業務経歴や業務内容は口答試験で質問される.
よって,ある程度気を使って記述する必要がある.不必要に神経質になることもないけれど。
 
以下に注意点を列挙する.
 
業務内容について
ここには「自分の業務が如何に技術士としてふさわしいか」を書く必要がある.
では技術士とは何か。これは技術士法で規定されている。
以下,技術士法第2条抜粋.
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技術士」とは、第32条第1項の登録を受け、技術士の名称を用いて、科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価またはこれらに関する指導の業務を行う者(他の法律においてその業務を行うことが制限されている業務を除く。)をいう。
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よって,自分の業務が技術士的であることをアピールするためには,業務が「計画、研究、設計、分析、試験、評価またはこれらに関する指導」であると言わねばならない.
具体的には,業務内容の最後が「・・・に関する研究」や「・・・に関する設計」で終わるように書けばよい.
 
以前、これから技術士の二次試験を受ける人たち向けの講演会で話をしていた際に「自分は会社に勤めて20年以上になり業務内容の変更も多かったので、全てを列挙していてはとてもスペースが足らない。どうすれば良いか」と質問された。
大事なことなのでもう一度書くが、技術士申込書の業務経歴は「自分の業務経歴を全てわかってもらうため」に書くのではない。「自分の経歴がいかに技術士としてふさわしいか」を理解してもらうために書くのである。よって、自身の業務内容のうち、特に技術士的なことをやった点について書けば良い。
 
証明印
私はサラリーマンなので業務経歴票が間違いないことを会社に証明してもらう必要があった。
申込書要領には「社長印」とか恐ろしいことが書いてあるが,色々と聞きまわった結果,部門長印でよいということが分かった.
社長印をもらうよりだいぶ敷居が低いと思う.
 
使用する年月日
年月日は西暦ではなく平成にすること.
私は西暦で書いた書類に部門長の印鑑をもらってしまったのだが,その後気が付いて印鑑をもらいなおした.こういったことは面倒なので避けるように。
 
「技術部門」「選択科目」
情報工学部門では「コンピュータ工学」「ソフトウェア工学」「情報システム・データ工学」「情報ネットワーク」の4つから選択できる。(2015年の時点での情報)
自分の経歴からふさわしい科目を選択するよりも、過去問を見てできるだけ受かりそうな科目を選択するほうが良い。
この中では「コンピュータ工学」は他の科目に比べて範囲が広いので少し難しいように思う。
 
二次試験で受ける技術部門は一次試験で受けたものと違っていても良い。
よって、自分の自信がある分野によっては電気電子部門の情報通信や経営工学部門のサービスマネジメントの受験も考慮に入れるべき。
 
業務内容の詳細
フォーマットは「業務名」「業務内容」「立場と役割」「課題」「技術的提案」「技術的成果」で良いと思う。
「立場と役割」は技術士にふさわしいもの(実装者よりも設計者や管理者)にすると突っ込まれない.
難しいのは「技術的成果」。
「公共の利益になる」「後々新たな技術革新につながる」みたいな終わり方だとよい。
字数制限が720字と厳しいので,何回か書き直す必要があると思う.時間的余裕をもって執筆すること.
面接試験では業務内容については細かいところを具体的に聞かれる.
例えば私業務内容として「研究所で開発したソフトウェアを事業化した話」を書いたのだが、口頭試験の質問で「研究所のソフトウェアを事業で使うために品質保証はどうやってやったのですか?」と聞かれた.
全部自分でやったことを書くのなら問題なく回答できるが,チームでやった内容について書く場合は事前準備が必要だと思う.
 
課題,問題点,解決策
「課題,問題点,解決策」というワードは論文試験でもよく出てくる.
私は勉強中,課題と問題点の違いでよく混乱してしまった.
以下のように理解していればよいと思う.
 
課題⇒解決する必要があるテーマ
問題点⇒課題が簡単に解決できない理由
解決策⇒問題点をクリアする手法
 
問題点と解決策は表裏である.